要調査項目について
こんばんは。
書きますと言い続けて気づいたら年をまたいでいました。さわのいです。
ここに書くのは初めてです。よろしくお願いします。
I'm Sawanoi. This is the first time for me to write this blog!
先月参加した学会(環境工学研究フォーラム@北九州)のことを書こうと思っていて、原稿をスマホのメモ帳にメモってたんですが。。。1ヶ月以上も経ってしまったので別のことを書こうかなと思います。
ちなみにメモ帳のその部分の最終更新日は2016/12/8となっていました。。笑
ということで今日書くのは、最近ちまちまやってたちょっとした調査結果についてです。
何かというと、「要調査項目に関する毒性試験値がどのぐらい集まってるか調べてみよう」、というものです。
環境省が定める水生生物保全のための環境基準に関して、今後毒性試験データ収集してや!という「要調査項目」というのがあります。
その要調査項目に関して、実際今どんぐらい毒性試験データ集まっとんや?というのを調べてみようや。そしたらいろんな現状が見えてくるんちゃうか?というのが目的です。(一部関西弁なのは高校の大先輩でもある日置さんのスタイルを踏襲しています)
Today I talk about “how many toxicity data have been obtained for the preservation for aquatic organisms in Japan”.
調査方法としては、
・要調査項目のリスト(2014年改訂版)をゲット。
環境省_「水環境保全に向けた取組のための要調査項目リスト」の改訂について(お知らせ)
・そのリストに載っている物質のCAS番号を調べ、その番号をECOTOXという毒性試験値をまとめたデータベースで検索。ついでにPubchemというデータベースでその物質のlogKowも調べて底質へのたまりやすさを評価。
・主に藻類、甲殻類、魚類、底生生物(甲殻類、虫など)に関する毒性試験値の有無、値があるなら生物種や試験日数、endpoint、実際の毒性値などを記録。
(実際は大量のデータがあるので、あればstandard speciesから、なければそれ以外から抜粋。特に甲殻類と底生生物に関しては、急性/慢性 (短期/長期・個体影響/個体群影響)の両方があれば記録し、なければどちらか一方のみ)
※底生生物に関してはECOTOX上で明確に示されていないので、生物名でググって底生生物らしければ底生生物ということでまとめました。本来なら元論文まで戻るべきですが、今回はこのぐらいの精度で調査したということで。。。
と、いう感じです。ざっくりいうと。
↑調査状況こんな感じです。 序盤は色々試行錯誤していたのでミスが多い気もします。。
さて、結果を簡単にまとめると以下のようになります。
・要調査項目全105項目のうち、毒性試験データがあったのが、
藻類66 甲殻類72 魚類75 底生生物59
・さらに甲殻類と底生生物について、慢性毒性値があった項目が、
甲殻類31 底生生物11
・全105項目のうちlogKow>3の物質は47項目あり、そのうち底生生物の毒性試験データが無かったものが24項目
(logKow>3という閾値には特に根拠はありません、とりあえず大きいものを区別したかっただけです。。)
こんな感じでした。
底質毒性に関して、データ収集が他より多少遅れていること、特に慢性毒性値が甲殻類の1/3程度しか集まっていないというのは底質の慢性毒性試験をやる意義とかについて今後色々使えそうですね。
logKowに関しては、優先すべき物質があるよ、というぐらいでしょうか。
あと(これは先生に言われてなるほどと思ったのですが)、Daphnia類が猛威を振るって?いそうな甲殻類でも1/3の物質がデータ無しというのは少し意外な結果でした。
たまたまこれの話を準備室でしていたら某先輩に「それブログで書いてよ!」と言われたので書いてみました。個人的には色々と使えそうな結果だなと思っております。
ただ、リストに載っている物質で「~塩」とか「~類」みたいなのはそれに含まれる物質一つのみ抜粋して調べていますし、前述のように元々の論文までは目を通していませんし、見直しみたいなこともしていないので信頼性は微妙です。今後より精査する可能性もありますが、現段階では参考程度、ということですかね。
以上です。
さわのい