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水槽で赤潮(?)が発生した!

研究・実験

先週の16,17日は卒論発表でした。みんな、素晴らしい発表でした。トラブルもなく無事発表を終えられて良かったです。お疲れ様でした~。

The defense of bachelor thesis was held last week. 

 

 

 赤潮発生!

先日、汽水産ヨコエビであるニホンドロソコエビを飼っている水槽で赤潮のようなものが発生しました。

Red algal bloom was found in our aquarium in which estuarine amphipods are maintained.

 

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水槽の壁面近くが赤く染まっていました。ちなみに写真の他の部分が茶色いのは、ヨコエビが潜るための河川の泥(底質)を入れているからです。

Red algal bloom was found especially alongside the wall. Brown color is sediment. River sediment has been provided becuase the amphipods are benthic species.

 

曝露実験に用いるためにヨコエビを底質ごと取り出し、その底質を水槽に戻した直後の出来事でした。

Sediment and amphipods were took from the aquarium in order to start exposure test. This bloom was happened just after sediment was returned back to the aquarium. 

 

 

 ●すぐに収束しました

赤潮はエアレーションによって発泡していましたが、放っておくと数時間後にはおさまり、今度は一面が薄く緑色に変わりました(写真では分かりにくいですが…)。

Red algal bloom disappeared within few hours, and then green algal bloom occured.

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 ●原因・対策は?

本研究室ではニホンドロソコエビを5年間以上飼育していますが、このようなことが起きたのは僕の知る限り初めてです。

底質に栄養塩が蓄積していて、その栄養塩を底質ごと水槽へ一度に戻したことが、藻類の急激な増殖を招いた原因なのでしょうか?

なかなか不思議です。

 

 

 

●追記 (2015.02.28): 赤潮溶液のEEM

せっかくなので、発生した赤潮の簡単な解析をおこないました。分光蛍光光度計を使って、励起蛍光マトリックス(Excitation-Emission Matrix; EEM)を作成しました。

Three dimentional Excitation-Emission Matrix (EEM) was obtained to evaluate characteristics of red algal bloom. 

 

EEMを作成したのは ①対照系として何も起きていない水槽の水、②赤潮水槽の藻類溶液、③赤潮後の緑藻溶液の3種類です。測定には遠心分離後の上澄みを用いました。

I compared the following three samples: i) brine water in another aquarium (control) ; ii) red algal solution; iii) green algal solution. All samples were analyzed after centrifugation.

 

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3つのサンプルを比較すると、赤潮の藻類溶液(上図②)には他のサンプルには見られないピークがあります。それらピークの位置は励起波長225-230 nm・蛍光波長320-360 nmと、励起波長270-280 nm・蛍光波長320-360 nmでした。これら2つのピーク位置は、タンパク質由来のピークとして報告されているものとおおよそ一致します*1

Two peaks were found in the only red algal solution. These peaks are reported to be derived from protein-like compounds (Coble, 1996, Mar. Chem.).

 

ちなみにコントロール系(上図①)と緑藻溶液(上図③)に見られるピークは、フミン質由来です。赤潮サンプル(上図②)でも同じ位置にピークが見られます。ただ赤潮サンプルだけ、測定前にMilli-Q水で希釈しているので強度は低くなっています。

 

 

K.HIKI

*1:参照:Coble, 1996, Mar. Chem.