GC-MS maintenance part 2
Previously I wrote my experience of maintenance for GC-MS in this blog.
Another problem with GC-MS QP 2010 occuered, and I have devoted much time to fix it again. (This article is written in only Japanese.)
こんにちは、日置です。
チッ素(m/z=28)が大量に混入していたという問題です。
何とか解決できたので、その奮闘の記録を残しておきたいと思います。
ただ、また新しい問題が生じているのですが・・・。
▲ピークモニタリング時に大量に検出されるチッ素 (m/z=28)
上の写真のように、チッ素が大量に、酸素(m/z=32)の1000倍以上検出されました。
それも急に、です。
それまで何の問題もなく分析をしていて、さてまた分析をするか、とチューニングを始めたらチッ素が・・・。
●MS・GCのリークチェック
まず一番始めに疑ったのが、リークです。
配管、GC、MSのどこかで空気中のチッ素が入ってきているのではと考えました。
そこで、カラムとMSの接続部を下図のような閉塞栓で閉じ、MS部分での漏れを検証しました。
ピークモニタリングをしたところ、MSでのチッ素・酸素・水の混入はなさそうでした。
▲閉塞栓 (通常のナットにフェルール附属の金属棒を挿入したもの)
GC部分でも同様に閉塞栓をし、漏れのチェックを行いましたが、どうやらGCでも漏れはなさそうでした。
念の為、カラム接続部やGCのキャリアガス流路にヘキサン(m/z=86)をかけてピークを確認したりもしましたが、やはり漏れはなさそうでした(86のピークは上昇しなかった)。
●上流のガス配管でのリーク
ということでGCより上流の配管の問題を疑いました。
そもそもGCやMS部分で空気中のチッ素が混入しているなら、28(チッ素)と32(酸素)の比は約4:1になっているはずです。
しかし一番上の写真のように、28は32の1000倍以上検出されています。
このような現象が起きるのは通常、配管の上流側、トラップで酸素が取り除かれるより上流側にリークがある場合です(参考:「GC/MS におけるリークの探し方」)。
と思いきや、当のGC-MS QP2010には酸素トラップなどついていません。
ヘリウムボンベから直接GCにつながっています。
ではチッ素比の高さの原因は・・・?
●解決!
結論を書くと、問題はリークではありませんでした。
実はヘリウムガスは、分岐して計4台ほどのGCで共有しています。その内の1台はトラップを設置しています。
▲他のGCの配管でのトラップ
問題が生じた少し前にヘリウムボンベの圧力が低下することがあったため、トラップ部分にチッ素が残ってしまったのでは、と考えました。
そこで上のトラップがついているGCをonにして、ヘリウムガスを300 mL/minにして数時間流しました。
すると、チッ素ピークは減少していきました。
原因はやはり上記写真のGC・トラップ部分だったようです。
他のGC-MSが原因だったとは、ヘリウムの配管が隣の部屋につながっていることもあり、中々気付けませんでした。
今回の件では、Mさん(古米研)や島津の方々から電話などで有益なアドバイスをいただき、大変お世話になりました。
本当にありがとうございました。
▲ヘリウムの配管 (隣の部屋につながっている)
ということでチッ素(m/z=28)のピークは抑えられましたが、今度は水(m/z=18)が大量に検出されています・・・。
もっとも少しぐらい水があっても良いでしょうが、オートチューニングをすると水がベースピークになってしまうほどなので、さすがに何とかしないといけないでしょう。
追記)水の問題も解決しました~(リンクはこちら)。